関節痛で全身が痛い場合は「線維筋痛症」では?レディー・ガガも発症

関節
風邪やインフルエンザに罹ったときに、体の関節が痛くなることや体中が痛いということがありますが、それ以外にも、関節の痛みを抱えている場合、それは「線維筋痛症」という病気である場合もあります。「線維筋痛症」がどういった病気であるのかご紹介していきましょう。

検査では異常が出ない「原因不明の痛み」が特徴

線維筋痛症は、検査をしてみると異常が出ないという原因不明の痛みを伴う症状を言います。リウマチの一種として分類されることもありますが、リウマチのように関節がはれたり、変形したりという特徴はなく、一般の検査では異常は見つからないことが多いです。

しかし、痛みが大きいので、日常生活や社会生活に支障が出ることにもなります。あまり知られていない病気なので、理解されにくいという特徴もあります。首~肩、背中や腰部、臀部などの体幹部分や、太ももなどにしびれや痛みを感じたり、また目の奥や口腔の痛み、頭痛まで、いろいろな痛みの症状が出ます。

痛みの個所や強さは人によって異なっており、普通なら痛みを感じない程度の刺激に対しても痛みを感じることも多いです。暑さ寒さや気候によっても痛みの度合いが変わることがあり、環境によっても痛みの具合が変わるという病気です。痛みが強くなる原因には、暑くなったり寒くなったりすることや、環境によるストレスなども関わってきます。

日本人の200万人がかかる病気

厚生労働省の調査によると現在の日本には、人口の1.66%の約200万人の患者がいるのではないかと発表されています。40~50代の発症率が高いと言われていますが、10代などの若年層での発症も多いです。

天候等の影響により、その痛みは変化しますが、重症化すると、髪の毛やつめの刺激や温度や湿度の変化でも激痛が走ることになり、自分の生活が困難になることもあります。痛みを伴うことも大変ですが、もっと大変なのは、血液検査やその他の検査でデータとして表れてこないために、周囲からの理解をなかなか得にくいことにあるといいます。痛みで動けない様子が人から見ると怠け病としてとらえられてしまうこともあります。

体の痛み以外の症状としては、睡眠障害・疲労感・抗うつ感・不安感・過敏性腸症候群・便秘・下痢・腹痛などが伴うこともあります。手足のしびれやこわばり、レイノー現象などのリウマチ症状が起きます。レイノー現象は、血流が悪くなることで、指先が白や紫色になり、しびれることや、冷えや痛みを感じやすくなります。目や口が乾いたり、頭痛が起きたり、頻尿、膀胱炎などの症状を併発することもあります。そのほかにも月経困難、生理不順、冷感、耳鳴り、睡眠時にあしがむずむずしたり痛痒くなったりする不快感が起きるむずむず足症候群などがあります。

線維筋痛症には、他の病気の併発の可能性のある一次性線維筋痛症と他の病気の併発の可能性のない二次性線維筋痛症である場合があります。一次性線維筋痛症の場合、他のリウマチ性疾患などと併発する可能性もあります。リウマチを発症した後に、線維筋痛症を発症する場合もあります。リウマチは患部に炎症が起きていますが、線維筋痛症の場合には、原因がはっきりと分かりません。

 

慢性疲労症候群と似たような症状を示す
線維筋痛症 体の痛み・睡眠障害・疲労感・抗うつ感
慢性疲労症候群 激しい疲労感・微熱・頭痛・筋肉痛・睡眠障害

 

線維筋痛症と似た症状を示す病気には、慢性疲労症候群という病気があります。疲労感は、線維筋痛症にもある症状です。慢性疲労症候群とは、慢性の激しい疲労感が特徴で、微熱や頭痛、筋肉痛、咽頭痛、リンパ節が腫れる、思考力の低下、睡眠障害、抗うつ状態などが挙げられます。原因は不明となっており、ウィルス感染や免疫異常、ストレスなどが原因とされています。線維筋痛症の痛みの原因ははっきりとはわかっていませんが、セロトニンやノルアドレナリン、ドーパミンなどの痛みを抑える機能が十分に機能していないからだと考えられています。

疲労、けが、事故、手術、妊娠、出産などの肉体的なストレスと、人間関係、仕事、介護、離婚などの心理的なストレスが要因と考えられています。働き盛りの女性は日々忙しく過ごしていますので、知らない間に、肉体的や精神的なストレスが溜まっていることも考えられます。

アメリカの歌手であるレディーガガさんもこの病気であることを公表して、休養をしていました。線維筋痛症(英語名:fibromyalgia)は原因不明の痛みであるために、検査をしてもその原因がつかめないことが多く、理解され辛い病気として、過ごしている皆さんが多いです。下記はレディーガガさんのツイートです。

原因不明の体の痛みは、線維筋痛症の可能性も疑ってみよう

 ▲American College of Rheumatology▲

血液検査や検査の結果を見ても異常がないのに、体が痛いという場合は、線維筋痛症である可能性も高いです。線維筋痛症は肉体的なストレスや精神的なストレスから、30~60代の女性に発症しやすい病気と言われています。全国には200万人ほどいるといわれている線維筋痛症の患者さんですが、実際に治療を受けているのは、5万人程度と言われています。線維筋痛症は、次のように米国リウマチ学会による線維筋痛症分類基準が設けられています。

線維筋痛症分類基準
① 広範囲の痛みが三か月以上続いている
② 18か所の圧痛点を指で押すと、11か所以上で激痛が走る
③ 傷みの原因となる他の病気が見当たらない。

線維筋痛症に対する特効薬というのはまだなく、薬物療法・運動療法・心理療法などで、医師と患者さんは協力して痛みを緩和するようなケアを行っていきます。痛みの強い患者さんには、神経性疼痛緩和薬などで痛みを軽減させ、できるだけ筋肉に負担をかけないようなケアを行います。

続いて、筋肉を強化させるケアを行い、筋肉を強化していきます。認知行動療法を組み込んで、ストレス軽減にも対処している方法もあります。線維筋痛症を患う女性には、完璧主義でアクティブな女性が多いと言われています。自分の心や体に過度に負担をかけるような「生真面目さ」や「強迫性」などが挙げられます。こうでなければならないという完璧主義な性格がストレスになります。患者さんには、厳しい世界で完全なものを追及しているといった場合や運動などで徹底的に体を鍛えるなどストイックに行動している人にも多いです。

レディーガガさんはその典型で、日々のパフォーマンスの為に日夜体を鍛えていたことから、肉体を鍛えるというストレスと、鍛えなくてはいけないという精神的なストレスから、線維筋痛症を患ってしまった可能性もあります。線維筋痛症は全身の痛みを伴う辛い病気ですが、生命を落としたり、後遺症が残ったりするというわけではないと言われています。患者さんは適切な治療で、痛みを和らげながら、完璧主義やオーバーワークなどを改めて、ストレスを緩和させることが必要です。原因不明の痛みに悩まされている場合には、今一度、自分の完璧主義な性格なども見直してみることもいいでしょう。

肉体的ストレスや精神的ストレスの少ない環境に身を置いて、痛みをやわらげていきましょう。風邪を引いたわけでもないのに全身の痛みが続くという場合には、線維筋痛症を疑う場合も出てくるでしょう。あまりに原因不明の痛みが続く場合には、病院に行くのもいいでしょう。少し様子を見るのであれば、痛み止めの漢方薬を飲むのもいいかもしれません。でも病院に行くのが一番いいでしょう。